「新老人の思想/五木寛之」を読んで別世代への理解を深める

2019年10月17日

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読もうと思った理由

60歳目前の母からの借り物です。母の蔵書整理で積んであった中から持ってきましたが、母は五木さんの他にも所有していました。見つけた範囲では「生きるヒント」、「生きるヒント2」がありました。他にもあるかもしれません。母は自己啓発系ではこの手の本が好きなようで、同世代の考え方や生き方についての本がちらほらありました。

私の動機としては、別の世代の思想や考えを知りたい、ということが主です。私は両親の祖父母も健在ですし、近隣住民も高齢者に分類される年齢の方が多いので、話をする機会は多いです。とはいえ別の世代の思想を知る上ではサンプルが多いほうがいいので、書籍にできる程度には一般化されている、支持されていそうな本であるようなので読むことにしました。

感想

タイトルを見ると対象読者は著者と近い年齢の方のように感じますが、30代の私が読んでも面白い部分がありました。

前半は著者が高齢化社会について思うところがまとめられています。

高齢者、と言われる側になる方がどのように考えているかを知ることができるので、著者と世代の近い方は考え方の参考になりそうです。また、高齢者と話す機会が少ない方は、こういう考え方をしている方もいる、ということがわかり、自分とは別の世代の考えを知ることができます。これから高齢者になっていく世代の方には定年後、あるいは定年せずに死ぬまで働くことになっていく可能性の高い今後の日本で、どういったことを意識していないといけないか、老化に伴う体の衰えの現れ方など、今から健康への意識を高めたくなるような話が書かれています。そういう意味では健康意識の向上に一役買いそうです。

高齢化社会になっていく中で、数十年後の話をしている番組やコラムが多いという話が書かれており、当事者となる高齢者としてはそんな先のことよりも数年先、来年、今年の話の方が重要だという点は、確かにその通りだと感じました。メディアでは現時点で高齢者を支える側になる世代向けの話が多いのは、不安を煽る方が数字を取れるからだろうなという印象は受けます。最近だと年金や自動車免許の話などですね。このように過剰に不安を煽っている弊害として「高齢者を排斥するべき、高齢者が悪い」という思想に繋がっている傾向があります。これではただ歳をとっただけの方への風当たりも強くなり、生き辛い世の中になっていってしまいます。誰しも徐々に老いていくし、いずれ自分がその立場になることを改めて意識したいと感じました。

中盤に宗教、特に仏教の話が増えてくるので、仏教についての教養があった方が楽しく読めます。高校歴史レベルの話かもしれませんが、あまり記憶に無いので調べながら読まないといけない箇所がありました。この辺は教養不足なのでもう少しその辺の本を読みたいと思います。

老人を5つのタイプに分類した箇所があり、確かにこういう人はいるなぁと思うところがあり面白いです。私はモノ思考型か先端技術思考型になりそうな気がします。ただ私の世代には定年という概念はなくなっていると思うので、実際には新しい分類ができているでしょう。

まとめ

感想が前半部分に偏っていますが、中盤までは私の世代が読んでも得るものがあると思います。社会問題を考える上で、自分たちの世代のことだけ考えていても話は前に進まないし、ただ文句を言っているだけになってしまうので、多くの意見や思想を知る上で読んでもいいと思います。

あと用途があっているかわかりませんが、高齢者向けの広報資料やチラシなどを考える立場の方は、読者がどういった意識を持っているかを少し想像できるようになるので参考資料になります。

 
おしまい。

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